私、最近気になることがあるんです。 獄寺君って、もしかして、男の人が好きなんじゃないかな・・! だって、獄寺くんのツナくんに向ける視線とか、態度とか視線とか視線とか、とても友達に向けるようなものじゃないんだもん。 だから私は今日、それを彼からこっそり聞き出したいと思います!(ファイトだ私!) 「、さっきから難しい顔してどうしたの?」 「あ、ツナくん。何でもないよ、ちょっと考え事!」 「そっか、ならいいんだけど。」 「うん。」 ありがとう、って笑ったら、ツナくんもへらって笑ってくれた。 「(獄寺くん遅いなあ。)」 最近の獄寺くんは、毎日お昼登校。 授業中は携帯触ってるし、たまに携帯の電池が切れたので帰ります、とか言って来たとたん早退することだってあるものだから、まともに授業を受けているのかどうかすら怪しい。でもそれなのに成績は良い。どうなってるんだろうってたまに疑問だ。 そうやってぼーっと考えてたら、教室の前のドアが遠慮も無く開かれる。(あ、これはきっと獄寺くんだ!) まだ眠そうに細められた(もとから細くて目つき悪いけど)目が、教室のツナ君を見たとたん一瞬にして大きく見開かれた。こうなったときの獄寺くんはまるでお菓子を目の前にした子供のようだ。 「十代目ー!おはようございます!!」 「お、おはよう。(獄寺くん今授業中だからー!)」 ツナ君もあきらか迷惑そうなのに、当の本人は気が付きもしていない。(可愛そうにツナ君・・・!) しばらくして先生が席に着くよう言うと、獄寺くんは舌打ちして面倒くさそうに机へと歩き出した。(さっきとは全く別人) 獄寺くんは私の席の斜め後ろで、通り過ぎ去り際におはようって言ったら、少しびっくりしたような顔で、ああって相打ちだけ打ってくれた。 (ツナ君にはもっとキラキラした目で嬉しそうにあいさつするのにー!) その事を、放課後暇そうだった(部活は休みらしい)山本くんに相談してみたら、大笑いされたのでちょっとショック。 山本くんいわく、獄寺に直接聞いてみたらどうだとのこと。 (それが出来たら山本君に相談してないよ!) 結局山本くんは笑うだけであんまり役に立たなかった。(ちょっとひどい) 「でね、獄寺くんってばね、」 「俺が何だって?」 だから結局京子ちゃんに相談してみようと思って話していたら、そこに偶然か彼がやって来て話に割り込んでくるものだから、思わずす失礼な声が漏る。あわてて口を手で押さえたが、もう手遅れだったみたい。彼の顔はなんだかいつにも増して迫力があった。 「げ、獄寺くん・・、」 「何だよ、その嫌そうな言い方。」 「いいいやそうじゃないの、全然嫌じゃないよ寧ろ嬉しいというか!」 「あ、ちゃん。じゃあ私もう行くね」 私に気を使ってくれた京子ちゃんは、用事があるからって私と獄寺くんに手を振ってそそくさと急ぎ足で立ち去って行った。(ごめんね京子ちゃん!) 「う、うん!ばいばい!」 「またね!」 そして京子ちゃんが去った後は私と獄寺くんの二人だけ。(気まずい・・) 獄寺くんもそんな私に気を使ってくれたのか、とりあえず帰るか。って私の鞄と私の手をとって歩き出すものだから、私もその手から伝わって来る獄寺くんの体温にどぎまぎしながら後に一生懸命付いていった。 「あ、あああの、獄寺くん、」 「おまえってさ、」 「え、あ、はい。」 自分から話を切り出そうと思って不自然に口を開くが、それも彼の一声で遮られる。(ああ私の決心が!) 「あいつのこと好きなのか?」 「あいつ、って?」 「山本」 「・・・・・」 「何で黙るんだよ・・」 「獄寺くんこそ、ツナ君のこと好きなの?」 「・・・は!?」 何でそこで十代目が出てくんだよ! 獄寺くんが急に大きな声で怒り出すからごめんって言うと、獄寺くんも、俺も大きな声出して悪かったって誤った。(あの獄寺くんが!) 「俺は、十代目は尊敬してるだけで」 べ、別に好きとかじゃねぇ。 獄寺くんがちょっと視線を逸らして言った。(あ、ちょっとかわいい) 「私も山本くんは好きじゃないよ」 だって私獄寺くんが好きだもん。(ひい!言っちゃった!) そしたら獄寺訓は一瞬固まって、ちょっと視線をさまよわせて、足を止めた。 私もソレに続いて立ち止まる。(穴 が あ っ た ら 入 り た い) 「俺もの事は好きだと思う。」 「・・・・・」 獄寺くんはまた歩き出した。(今度はちょっと早足だ) 私もそれに続く。 夕日のせいかもしれないけれど、獄寺くんの頬がほんのり赤く染まっている気がした。 Hello at dusk. (夕暮れにこんにちは!) |