「ねえ君、僕のこと好きでしょ。」
「(は!)どうしたんですかひばりさんとうとう頭までおかしくなっちゃいましたか?」
「いつにも増して失礼だね、応接室まで来てもらおうか」
「ちょっと応接室なんか連れて行って何する気ですかこのへんた・・・いたっ」

朝一で彼に声をかけられ、(あ、彼って言うのはもちろんひばりさんのこと)その上告白まがいの台詞まで吐いて、おまけに応接室に強制連行されそうになっている私を助けようとする人は誰一人と現れなかった。(当たり前だけど)(みんな命が惜しいのよ!)








ストレンジ









「それで何の御用ですかひばりさま」
「何その呼び方、止めてくれる?」
「(ひい!)すいませんほんの遊び心です」
「・・・」

ひばりさんは一瞬(いつも冷めているけれど今日はさらに)冷ややかな視線を私に送ると、お茶でも飲む?とらしくない言葉を口にした。(そしてさらに行動に移すものだから腰が抜けるほど驚いた私はこれは夢だと言い聞かせている)

「飲めば。」
「・・・ああありがとうございます」
「何、毒なんか入ってないよ」

震えた手でカップを持ち上げていた時、さらにひばりさんの口から出た毒という言葉を聞き飛び上がり思わずカップをひっくり返すところだった。(危ない!)
もしもの事態を考え顔が青ざめるが、首を振ってもみ消す。

「それでひばりさん、私は何の御用でここに呼ばれたのでしょうか」
「・・別に、気まぐれだよ」
「(でたー!ひばりさまの気まぐれ!)」
声に出てる」
「すいません」

それでほんとは何の用事ですかって聞いたら、ひばりさんは君と話がしたかっただけだよって言った。(え、聞き間違い?)

「どうしたんですかひばりさん、なんだか今日はおかしさに磨きがかかってますよ」
「君は僕にかみ殺されたいみたいだね」
「いいえ滅相もございません」

出されたトンファーに身の危険を感じ反射的に後ろに下がろうとすれば、座っていたソファーごと後ろに倒れ込みそうになる。(だけどそれはいつの間にか後ろに回りこんでいたひばりさんの手によって静止された)(た、たすかった!)
だけど持っていたカップからは、お茶が見事なまでに飛び出していた。

「ひぃ!ごごごごめんなさいすみま」
「うるさいよ」
「・・・(すみませんすみません)」















「君、僕が何でこんな面倒なことするか分かってる?」
「(め、面倒・・・)気まぐれですか?」

ひばりさんが私の濡れたスカートをドライヤーで乾かしてくれている間(わたしはひばりさんのジャージ借りてます!)ひばりさんからかけられた問いに答えれば、明らか彼は不機嫌になった。(わかりやすいようなわからないような)

「・・・・」
「あ、興味本位ですか!」


「なんですか、ってひ・・・・・・っぎゃ△×!○#★$@!?」
「もう少し可愛い声出せないわけ」
「す、すいません・・ってえ、ひば、」
「なに」
「な、何じゃないですよ!(だっていまひばりさんの顔がやたら近くにあって近くで見ても綺麗だなあとか考えてたらそしたら唇になんだか暖かい感触が・・・!)」

「ひぃぃ!(きききっす!)」
「・・・・(ちょっとむかつく)」

ほら乾いたよと口を開くひばりさんから綺麗に折りたたんだスカートを受け取り、彼は何事も無かったようにそろそろ授業始まるけどと時計に目を向ける。
(あれ、じゃあさっきの何だったの)
そんなわたしの考えが分かったのか(はたまた顔に出ていたのか)、ひばりさんはいくら僕でもどうでもいい奴にあんなことしないとだけ言っていなくなっていた。(あれ、どういうことだこれは)








それから数分後、授業の始まりを告げるチャイムを聞いて応接室からとび出す羽目になる。





(嗚呼、なんて捻くれた告白)









070727
ストレンジ桜色(風変わりな桜色・奇妙な桜色)
ひばりさんのかわった恋心