「男同士の恋愛は成り立つと思いますか?」
「・・・はぁ?」
いつものように唐突に繰り出される会話。
もちろん上がジェイド、下は。
「なんで?」
「たまにはそういう事も知識に入れておこうと思いまして、ね。」
確認するかのように言うジェイドは更にたちが悪い。
それを見かねてか、は大して興味なさそうに相槌をうち、更に興味なさそうに返答した。
「そりゃあゲイとかホモとかいるんだからあるんじゃねぇの?」
「そうですか、じゃあ質問を変えましょう。
は男性に好意を抱いたことはありますか?」
「・・・(何なんだコイツさっきから・・、) ないけど。」
「それは残念、」
「は?」
「いえ、こっちの話です。」
「(独り言かよ。)」
「では、貴方の好きなタイプは。」
「え?えーっと、綺麗で教養のある人。」
「そうですか、それならぴったりですね。」
「はぁ、だから何が?」
勝手に納得するジェイドにが口を挟むが、それもするりと流される。
「では、準備も整ったところで、私と愛の逃避行でもいたしましょうか。」
「とうとう頭いかれた?」
さっきからわけのわかんないことばっか言って・・。
「いえ、いたって正常ですよ。」
心配はご無用です、と裏のある笑顔を見せるジェイドは、いたって普通ではない言葉をなお口にしながら彼の手を引いて歩き出した。
彼と俺との愛の逃避行
(どうやら彼は本気のもよう)
「さて、どこへ行きたいですか?」
(お前のいないところならどこでも)
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070122