暑い暑い今年の夏。毎年暑いけど今年は今までより数倍暑い。私はあまりの暑さにタンクトップ一枚で部屋に閉じこもりクーラーをガンガンつけている。家事しなきゃなー。うーんめんどくさい。洗濯もしなきゃ。昨日ディーノが仕事で汚したーなんて言いながら持ってきたやつも洗わなきゃな。後でしようかな。全くクールビズなんてよく言うよ暑いものは仕方ないんだそれより環境に優しいエアコンでも開発してくれー なんて一人でだらけながら言ってたら勢いよくドアが開いた(ちょ、ドア壊れちゃう!) 「!!!」 「へ?ど、どしたのディーノ」 誰だよー冷気が逃げてくああ生ぬるい空気が・・・!ってクレームつけようと相手のほうを見たらディーノだった。あれ、ディーノ今日仕事で遅くなるんじゃなかったっけ・・・今日朝早く起きて出てったよね?なるべく早く帰ってくるからとかいってほっぺにチュッってして出てったよね?(ああこの表現なんか恥ずかしい!)しかもなんかそのままディーノに抱きしめられてるんですけどおおお!?え、ちょ、私座ってたから必然的にディーノもかがみこむ様になってて・・・!うあああ何この体勢!?え、何どうしたんだろうディーノ?あの若干苦しいですがええええ!?そんな慌ててどうしたのおおおお!? 「仕事・・・思ったよりも早く終わったからすぐにでもに会いたくて・・・」 「え?そうなの?すごく早く終わったんだね」 「ま、大概は部下に押し付けてきたんだけどな!」 おいいいいいい!いやそんな事ニッコニッコしながら言うもんじゃないよ駄目じゃん!ボスしっかりしようよ!うわ、より一層ギュッってしたなディーノ!こんな事ではぐらかしても意味ないもん! 「へへ顔真っ赤」 「な・・・!!」 ああもう駄目だ、やっぱり顔に出ちゃうんだ私!いっつもこういうパターンなんだよね。すぐ顔に出ちゃってディーノがニコニコしてるパターン。キスしたり抱きしめたりするのは付き合ってる頃からあったんだけどやっぱり何年たっても慣れない。ディーノはそれがいいって言うんだけど・・・なんだかなあ・・・ 「なあ」 「ん?」 「今から海行かないか?」 「ん・・・・え?」 「海。行きたいって言ってただろ。」 いきなり何言うかと思ったら海ですか・・・!いや前言ったけどさ!テレビでビーチ特集みたいなのがあってその時に海いきたいなーなんてポツリと言ったけど!そ、それ覚えててくれたんだディーノ・・・!ちょっと感動したようん! ** 「、最近ゴメンな。仕事ばっかで一緒にいられなくて」 「え、全然大丈夫!私ディーノに仕事頑張ってもらいたいし!!」 と言う事で海に行く事になりました。「歩いていく?」「いやだ!焼けちゃう!」「ははは白いじゃねーか」「白くないよ!日に弱いんだよ私!!」な会話をしてたけど結局海まではロマーリオさんが運転する車で行く事になった。車はすっごくでかくて大きいから私達が座っているところからロマーリオさんが見えないくらい広い。ディーノは車に乗るなりなんか謝ってきたから家に帰ってきてくれるから私はそれで良いよ?って言ったらディーノは私の頭に手を置いて少し悲しそうに笑った。ディーノも私に気遣ってるのかな。私のことは気にしなくて良いのに。 「お、着いたみたいだぜ」 「わー!!何年ぶりだろ!ディーノ、早く行こっ!」 「お、おう」 白い砂浜。今日は珍しく人がいない。あれなんでだろ、今日平日だからかな?ん、でも皆休みなんじゃないんだっけ?うーん不思議だ。こんな良い天気に人がいないなんてなんてもったいない! そんな事を考えながらもディーノの手を引っ張って海の方へと向かった。 「今日は珍しく人がいないんだねー」 「そうだな」 「あ!ほらほらみて!!桜貝!」 足元には綺麗なピンク色の貝殻があった。綺麗な形をしていて小さくてすごく可愛い。この行動絶対歳相応じゃあないななんて思ったりもしたけどたまにはいいか、なんて自己解決して今日はおもいっきりはしゃぐ事にした! 「そんな奥まで行ったら濡れるぞー?」 「うん!大丈夫ー!!このくらい濡れたって・・・」 ズボンを上げふとももあたりまでの深さの所まで行ってみた。水が澄んでてすごく綺麗だ。そう眺めているといきなり大きな波がそのまま波に飲み込まれてしまった。 「!!!!!!!!」 ディーノの呼ぶ声がする。あれ、私なんで水の中にいるんだろう。起き上がれない。立ち上がれない。波に飲み込まれていって抵抗が・・・できない。足をバタバタしてみるけど体力が消耗し空気が足りなくなるばかりでますます私の頭は混乱状態に陥った。ディーノ助けて、私を助けて、暗 い 怖 い 一人は い や だよ、ほら目の前も真っ暗になってきた。 「!大丈夫か!!!!!」 意識が飛ぶ前に見た最後はずぶ濡れになって泣きそうな顔になってるディーノだった ** 「ん・・・・」 「・・・?」 「ディー・・・ノ・・・」 「・・・良かった・・・・本当に・・・!」 目を覚ますと私は寝かされていてすぐそばにはディーノが手を握り締めていた。ディーノの後ろには安心した表情のロマーリオさんもいた。 「ディーノ・・・私・・・?」 「波に飲み込まれたんだ。そのままがおぼれて・・・が無事でよかった・・・」 そういうとディーノは私に抱きついてきた。いつもの包み込むような感じじゃなくてすがりつくような子供みたいな感じ。私はディーノの頭を撫でながらごめんねって言った。 ** 「今日は散々だったね」 「ああそうだな・・・」 「ごめんね、私が迷惑かけた所為で・・・」 「の所為じゃねえよ。俺が海行こうって言わなかったらこうならなかったんだし・・・お互い様だろ?」 そう優しく言うディーノがすごく格好良かった。私のために助けに来てくれたんだ。私は一人じゃなかったんだ。 「ディーノ」 「ん?」 「今度は海行ってもディーノから離れないようにする。」 「・・・ああ」 かすかに赤く染まった貴方の横顔がいつまでもいつまでも大好きです 夏 愛 |
07.0810 彌波 流伽様に捧ぐ